エンドミル開発エンジニア 清水和也さん
CBNエンドミルは当社で多用している超硬合金素材に比べて約3倍の硬さをもつCBNを刃先に用いているため、高硬度鋼材の仕上げ加工に適しています。当社では用途に応じた設計・製法により長時間にわたる高精度加工が可能な『長寿命CBNエンドミルシリーズ』の拡充に力を入れています。私は製品開発チームの一員として様々なCBNエンドミルの設計・試作・性能評価に携わっています。CBNエンドミルは硬くて摩耗しにくい半面、超硬工具より靭性が低いため、使い方に注意が必要です。例えばポケット形状の加工評価をした際、工具に異常に大きな欠けが発生することがありました。加工内容を検証したところ、ポケットの隅に工具がすっぽりはまり込む瞬間があり、切削負荷の急上昇や切屑の噛み込みを起こしていたことがわかりました。加工形状と工具サイズの組み合わせを変え、切削負荷の変動を小さくし切屑排出スペースも確保される加工経路としたところ欠けを生じることなく加工ができました。工具とワークの接触状態を適切にコントロールするとCBNエンドミルは優れた耐摩耗性を発揮し、超硬工具（セラミックス系コート）の半分以下まで摩耗量を減らすことができます。私は今後ますます需要が高まるCBNエンドミルについて、新たな工具開発はもちろん、ユーザーの皆さんに役立つ切削ノウハウの追究とその情報発信を続けます。
清水さんが “こだわり” をもって開発している “CBNシリーズ” は、こちら ↓
