バレル工具のラインナップ拡充に伴い、生産現場から複雑な回転輪郭形状を測定する測定機の要求が飛び込んできました。従来のラインセンサ測定方式では測定回数が多くなり、測定時間が長くなってしまいます。そこで、CCDカメラでエンドミルを回転させながら連続撮影して画像処理で回転輪郭形状を測定する方式を採用しました。2次元画像を使用するため複数個所を同時に測定可能です。この新測定方式(カメラ撮像方式)の測定機を「ERM-C1」と名付け、開発に臨みました。カメラ撮像方式の開発には専門的な画像処理プログラムの知識が必要です。専門セミナーを受講し、実機による試験を繰り返し、コツコツと知識を積み上げました。カメラでエンドミルの立体的な形状を捉えるためにはレンズ特性などの光学系のノウハウも必要となるので、入社以来培ってきた光学式測定機の技術を総動員しました。開発初期は測定技術に関する課題に頭を悩ませていましたが、後半はそれに加えて使い勝手のよさや検査工数の低減にも注力しました。このように「生産現場で使う人の立場に立って開発を突き詰める」ことが私の「こだわり」です。今後もこの「こだわり」を大切にしつつ、より複雑な形状の測定や、異常検知機能の追加など、形状測定の信頼性を高める測定機の開発を進めます。
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