工具設計部門より、工具損傷の起点となる刃こぼれをなくし、シャープな切刃を造り込んで欲しいという要求を受け、Vシリーズの製法開発がスタートしました。製造部門では砥石設計開発チームと生産技術開発チームに分かれ、自分がリードしたのは生産技術開発チームでした。目指したイメージは『切れる刀(カタナ)』です。小径エンドミルをシャープエッジ化するためには砥石をさらに細かい番手にすればできるはず!と単純に考えていましたが、うまくいかず。拡大して観察すると刃こぼれがあったのです。我がチームでは、砥石全面が研削機能する振れのない砥石で切れ味を確保することが課題でした。砥石の整形ツールと整形条件を検討し、エンドミルの刃先を顕微鏡で観察する繰り返しでしたが、ある時ベテランのメンバーからの助言を基にトライしたところ、綺麗な研削加工面とシャープエッジのエンドミルが実現できました。SEMで拡大観察しても刃こぼれはありませんでした。Vシリーズが安定生産できるよう、さらにノウハウを積んでいきます。これからもメンバーに意見を求め、しっかりと耳を傾けることでチーム一丸となり、良質なエンドミルとなるよう、丁寧に造り込んでいきます。
南雲さんが、こだわりをもって造っている “Vシリーズ”はこちら↓
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