『バレル工具って何?』そこから開発が始まりました。バレルとは英語で「樽」という意味で、「バレル工具」とは回転すると樽のような輪郭を描く工具です。一般的なエンドミルのR形状は工具先端部のみですが、バレル工具は先端部のRに加え外周や後端に複数のR状の切れ刃が連接し、特に外周刃は大きなR形状になります。バレル工具は側面に大きなR刃を持つことにより5軸加工やチルト主軸による加工、ワークを傾斜させての割り出し加工等で高能率加工を可能にします。私はこの性能をお客様のところで十分発揮するためには、①複数のR刃をスムーズに連接させること、②R部の切削性を均一にすることが重要だと考えました。①については、最初複数のRで構成させる切刃を別個に研削した為、各々の切り込み誤差によりRの切替点が一致せず、寸法調整に苦心したのですが、結局狙った形状が作れませんでした。②については当社の既存の製法では均一な切削性を得られるすくい角の均一化ができないことが分かったので、新たにバレル工具専用の研削プログラムの開発を進めました。シミュレーションによる形状確認と研削テストでの検証を繰り返し、①②の課題を解決することができ、お客様が望む性能を発揮できる工具を作り上げることができました。
これからもお客様の目線で開発をすることを心がけ、皆様によりよい性能の工具をお届けします。
長谷川さんが “こだわり” をもって開発している “バレル工具” は、こちら ↓